オルソケラトロジーと子供の近視抑制 オルソケラトロジーとは 寝ている間に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、角膜形状を平らに矯正して、光の屈折を変えることで近視が改善されます。翌朝レンズをはずした後も矯正された角膜形状は一定時間保たれるため、日中は裸眼で過ごせるような視力を維持することができます。手術の要らない近視の矯正治療法なので、装用を中止すれば角膜形状や屈折を元の状態に戻せるという利点もあります。 子供の近視の増加と低年齢化 近年、近視人口の増加、近視の低年齢化が顕著になってきています。近視は比較的アジア人に多いとされ、その原因は遺伝要因、環境要因の両方が関係すると言われていますが、学校や家庭でデジタル機器を利用する時間が増加したことによる子どもの生活環境の変化によるも影響が大きいと考えられています。 近視と眼軸長 近視の多くは「眼軸長」と呼ばれる眼の奥行きの長さが伸びて、眼底の網膜に焦点が合わなくなることで起こります。近視は眼鏡やコンタクトレンズで矯正することはできますが、近視になった目の形(眼球の奥行きなど)は治すことができません。また、近視の程度が強くなると、眼軸長が長くなり、緑内障や網膜剥離、近視性黄斑変性といった眼疾患発症のリスクが上がります。ある程度の近視の進行はやむを得ないとしても、お子様の将来の目の健康を守るためには、強い近視になることを抑えてあげることが重要です。 オルソケラトロジーの近視抑制効果 オルソケラトロジーは近視の進行を抑制する治療の一つとして効果が確認されています。通常の単焦点眼鏡のレンズでは網膜周辺部における遠視性デフォーカス(網膜周辺部における網膜後方に焦点を結ぶことによるぼやけ)が発生し、眼軸長を延長させ近視が進行すると考えられています。オルソケラトロジーではこのデフォーカスが少ないことで近視の進行が抑制されるという仮説が有力です。単焦点眼鏡に比べて約 30~50%の近視の抑制効果が期待できます。 身長などと同様に、身体の成長時期に眼軸長も伸びていくため、成長段階にある子どもは近視を発症しやすい状態にあります。そのため近視を矯正でき、かつ近視の進行を抑制する治療 〈オルソケラトロジー〉 を近視の発生早期から始めることが大変有用です。 低濃度アトロピン点眼は、オルソケラトロジーと同様に近視進行抑制効果が確認されている薬剤です。就寝前に点眼することで近視の進行を50~60%抑制します。オルソケラトロジーと併用することで、より近視進行抑制効果を高めます。 低濃度アトロピン点眼はこちら>> オルソケラトロジーの治療の流れと費用 治療の流れ STEP1: 適応検査&トライアル装用 オルソケラトロジーレンズの装用に適しているか、近視の度数や眼の状態を調べます。検査で問題がなければトラアイルレンズを装用していただきます。 STEP2: お試し装用【約1週間から1か月間】 個々の患者様の眼の状態に合わせた専用レンズを装用します。 治療の継続を希望するかを決めていただきます STEP3: 治療の継続 お試し装用に満足し、このまま治療を継続する場合は治療継続費をお支払いいただきます。 STEP4: 定期検査の受診 治療を継続している間は、3か月ごとに定期検査の受診が必要です。 STEP2で治療を継続しない場合は専用レンズをご返却いただく必要があります。レンズの紛失時には33,000円(税込)/枚ご負担いただきます。治療の継続を御希望の場合でも、眼の状態が悪く治療に適さない場合は継続できないことがあります。 [ 初年度 ] 治療にかかる費用(税込) お試し装用 (専用レンズ使用料・初回ケア用品代・お試し期間中の検査代 含む)55,000円 (お試し後治療継続希望がない場合30,000円返金いたします) 治療継続費 (専用レンズ代・1年間の定期検査代・レンズ破損保証 片側年1回まで 含む)99,000円(両眼) [ 2年目以降 ] 治療にかかる費用(税込) 定期検査代 3,300円 / 1回 レンズ交換代 3,3000円 / 1枚 最低でも2年に1度の交換をおすすめしております TOPページへ