甲状腺眼症のまぶたの治療

ステロイド局所注射

まぶたの腫れや上眼瞼挙筋の炎症によって起こる上眼瞼後退(過度な見開き)にはステロイド注射を行います。
2つの注射方法があり症状に応じて選択します。
方法1)注射予定部位を冷却した後、上まぶたの皮膚側から細い針で少量のステロイド剤を注射します。 通常強い痛みはありませんのでご安心ください。 注射後は出血予防のため5分間程度圧迫していただきます。
方法2)点眼麻酔の後、まぶたのまわりを消毒します。眼球の上方、上まぶたに隠れるあたりの結膜(白目)を小さく切開します。 そこから眼球の後方に向けて先のとがっていない注射針を用いてステロイド剤を少量注射します。 処置時間は数分です。通常強い痛みはありませんんでご安心ください。 眼帯を装着して帰宅します。注射後は感染予防のために抗菌点眼薬を数日間つけていただきます。 女性の場合、生理不順や不正出血が起こることがあります。 眼圧の上昇が起こることがあります。 外来通院で経過をみながら必要に応じて再度注射を行います。

ボトックス注射

ボトックスは筋肉を麻痺させて収縮を抑える薬剤です。上眼瞼後退(過度な見開き)に対しては原因となっている上眼瞼挙筋の炎症をしずめる治療が基本ですが、炎症がおさまった後でも過度な見開きが残ってしまっている場合があります。そのような症状に対してボトックス注射を行います。まぶたの裏側のまぶたを上げる筋肉に極少量のボトックスを注射することで、筋肉を弛緩させ過度な見開きを改善させます。

合併症
まぶたの下がりすぎ(眼瞼下垂)
眼球運動障害 眼球の上向きが悪くなることがあります。
ボトックスは3ヶ月程度で効果が切れる薬剤です。万が一合併症が起こった時にも時間が経つと回復します。

*この治療は保険適応がありませんので自費治療となります。斜視のボトックス治療は保険適応となります。

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