埋没法による二重まぶたの手術の糸を抜糸します
当院では手術顕微鏡を使用してできるだけキズあとが残らないように精密に抜糸をおこないます。手術から長期間経っている糸の露出など、埋没法のトラブルのご相談をお受けしています。
こんなお悩みをお持ちの方の抜糸を行います
- 二重まぶたの埋没法手術を受けたが、形が気に入らなかったり、不自然な形なので抜糸をしたい。
- 術後の違和感やゴロゴロ感が改善しない。
- 目をつぶったり、下を見ると二重のラインにポコっと小さなしこりが見える。
- 皮膚の表面に糸が露出している。
- 手術の傷口が赤く腫れている、痛みがある。
- まぶたの裏に糸が露出して、目がゴロゴロしたり、痛みや充血がある。
- 二重のラインあたりに大きめのしこりができている。
- まぶたの中に糸が残っているのが心配でとりたい。
埋没糸の状態による抜糸方法
埋没法は手術の方法によって糸の本数や結び目(糸玉)がまぶたの皮膚側にあるのか、まぶたの裏側にあるのかなど、いろいろなバリエーションがあります。埋没糸の状態によって抜糸の方法も変わります。
埋没糸の結び目がわかる場合(小切開による抜糸)
まぶたの皮膚側に結び目が埋没してある一般的な埋没法で、手術後あまり時間が経っていない場合は、皮膚のキズ跡から結び目の場所ががわかります。このようなケースではキズ跡の部分をごく小さく切開して、糸の結び目を見つけて抜糸することができます。また皮膚から糸の結び目が透けて見える場合も、同様にごく小さな切開から抜糸できます。切開部分の縫合が必要になるケースは少なく、術後の内出血や腫れも軽く済みます。
ごく少量の麻酔薬を注射して抜糸します。術後はテープを貼って帰宅します。しばらくの間、軟膏を塗布してキズが治るのを待ちます。
埋没糸の結び目がわからない場合(二重ライン切開による抜糸)
埋没法を行なってから長期間経っている場合などでは、皮膚の表面から糸の存在がわからないことがあります。このようなケースでは皮下の組織の比較的深い場所に糸の結び目があることも多く、皮膚を切開して糸を探す必要があります。通常は二重のラインに沿って皮膚を切開して、視野を広く取ることで、糸を見つけやすくできます。切開した二重のラインは抜糸後に縫合します。術後は3ー4日後をピークに腫れますが、約1週間後にはだいぶ落ち着いています。
切開する皮膚に麻酔の注射をします。術後はテープを貼るか、眼帯をして帰宅していただきます。縫合した糸はおよそ1週間後に抜糸します。通常は翌日からの洗顔は可能です。しばらくの間、切開したキズに軟膏を塗布していただきます。
まぶたの裏に埋没糸の結び目がある場合
糸の結び目がまぶたの裏(結膜側)にある場合、いわゆる裏留めの手術を行っている場合は、まぶたの裏側から抜糸を行います。まぶたの裏は結膜という薄い粘膜があり、ほとんどのケースで結膜を透して糸の存在がわかるので、結膜をごく小さく切開して抜糸を行うことができます。
点眼薬で麻酔をした後に少量の麻酔の注射をします。まぶたの裏側から抜糸する場合には結膜を切開しますが、通常は縫合する必要はなく、切開した結膜は自然に閉じます。術後は異物感が強い場合や、涙が多く出る場合などは眼帯をして帰宅していただきます。術後は点眼薬をつけていただきます。
まぶたの裏に切れた糸が露出している場合
埋没した糸が切れて、その断端がまぶたの裏側で露出してしまっている場合があります。露出した糸が眼球の表面にあたりキズを作ると、強い異物感や痛みが起こります。このようなケースでは露出した糸の断端を摘んで引き抜くことができる場合と、皮膚側の結び目があるために、糸が引き抜けない場合があります。完全に糸を除去できなくても、糸をできるだけ短く切除することで糸の露出がなくなり、眼球表面にあたらなくなることで症状を改善することができる場合もあります。
糸が容易につまめる場合では、点眼薬の麻酔で抜糸できます。糸が奥に引っ込んでしまいつまめない場合では、麻酔の注射をして、特殊な器械をまぶたにかける必要があります。術後は異物感が強い場合や、涙が多く出る場合などは眼帯をして帰宅していただきます。
皮膚の表面に露出した糸を埋没し直す場合
埋没糸の結び目が皮膚の表面に露出してしまうことがあります。腫れや痛みなど炎症を起こしている兆候がなく、患者様が希望する場合は、露出した糸を皮下にもう一度埋没させることができます。患者様の希望がある場合におこないます。
少量の麻酔の注射をして皮下に糸を埋没させます。術後はテープでの固定を行うこともありますが、糸で1針ほど縫合して、しっかりと皮膚を閉鎖したほうが術後の経過は良いと思います。術後は軟膏を塗布していただきます。縫合した場合はおよそ1週間後に抜糸します。
二重のラインあたりに腫れやしこりができた場合
埋没法の糸が原因で細菌の感染によって炎症が起こり赤く腫れたり、痛みのないしこりができたりすることがあります。細菌感染の炎症の場合は、適切な薬の投与で炎症が治り、腫れもなくなることがあります。しかし、薬を使っても症状が良くならなかったり、炎症が強い場合には、腫れている部分を切開して原因となっている糸を抜糸する必要があります。
また痛みのないしこりの場合は埋没糸が原因で肉芽組織が形成されていることがあるため、切開して肉芽組織を除去して、糸を抜糸する必要があります。
腫れやしこりを除去するには皮膚を小さく切開する必要があるため、少量の麻酔の注射をおこないます。切開した皮膚は縫合しますが、二重のラインで切開することでキズあとを目立たなくすることができます。術後は軟膏の塗布や抗菌剤の内服をしていただきます。
埋没法の抜糸の合併症と注意点
埋没法の抜糸は複雑な手術ではありませんが、手術に伴う合併症の発生や手術の結果が期待通りにならないことがあります。
□術後の腫れや内出血・痛み
埋没法の抜糸を行う際には少なくとも皮膚や粘膜に切開を加えることになります。切開の際に内出血を起こしたり、麻酔の注射の際に内出血を起こすことがあります。また炎症が強く起こったり、腫れが長引くことがあります。術後に強い痛みが起こることは稀ですが、炎症が強い場合などに痛みが続くことがあります。
□まぶたの変形・二重が戻らない
抜糸後にまぶたの形や二重のラインが変わることがあります。また埋没法を行なってから早期に抜糸をおこなっても二重のラインがとれないことがあります。
□糸が取り切れない
埋没法の糸は抜糸の際に途中で切れてしまい、完全に取り切れないことがあります。また切れた断端を摘んで抜糸する場合、糸をすべて引き抜くことができないことがあります。
□糸が見つからない
手術前に糸の場所がわからない場合は、埋もれた糸を探して抜糸しますが、糸が見つからないために抜糸できないことがあります。
埋没法の抜糸の費用(自費診療)
初診料 5,000円
美容手術に関連する治療は保険診療の適応がなく自費診療となります。初診では現在の状態を診察で確認して、抜糸の内容についてご説明します。必要に応じて眼科検査も行うことがありますが、検査料は初診料に含まれます。
*診察の結果、美容手術による症状でないと判明した場合は保険診療となりますので、マイナンバーカードまたは健康保険証をご持参ください。
手術料
皮膚小切開による抜糸(片眼)
1本 16,000円
追加1本 6,000円
まぶたの裏側から・裏留めの抜糸(片眼)
1本 16,000円
追加1 本 6,000円
皮膚に露出した糸の再埋没(片眼)
1本 18,000円
追加1本 8,000円
しこりや腫れの切開処置と抜糸
1部位 25,000円
二重のラインを広く切開する抜糸
片眼 65,000円
*上記手術料には薬代、術後の診察料が含まれます。再手術が必要な場合の費用は別途ご相談となります。
*まぶたの裏側で糸が露出していて眼球にキズができて痛みが起きている場合などは、できるだけ当日の手術に対応しますが、その他の場合は原則として後日の日程を決めて手術となります。