当院には霰粒腫の手術を希望される方が多く来院されます。点眼薬や眼軟膏などで治癒する場合もありますが、なかなか治らずにどうしようかと悩んでいる患者さんも多いのではないでしょうか。手術をするのもちょっと恐いし、手術した後はどんな状態になるのだろうか?と不安に思い、手術に踏み切れないこともあるかと思います。今回は皮膚縫合を行なった霰粒腫の手術の術後経過についてご紹介します。
霰粒腫の手術手順
消毒・ドレーピング
麻酔の点眼薬を入れた後、まぶたとその周囲を消毒薬を浸した綿球で拭きます。眼を穴の開いた布で覆います。
局所麻酔
まぶたの裏側粘膜と皮膚側に麻酔の注射を行います。内出血をできるだけ予防するために、顕微鏡の下に皮下に透けて見える細かい血管を避けて注射します。当院では麻酔薬にph調整のための薬を混ぜることで、注射の時の痛みを軽減できるようにしています。
皮膚切開またはまぶたの裏側切開
手術方法には、まぶたの表面の皮膚を切開する方法とまぶたの裏側を切開する方法があります。霰粒腫の状態によってアプローチの方法を決めます。
肉芽腫の掻爬・切除
皮膚縫合
創口の処置と眼帯
手術は10~20分ぐらいで終了します。眼帯をして帰宅していただきます。手術後に強い痛みがでることはほぼありませんが、痛み止めの薬を処方をします。眼帯は自宅で外しても問題ありません。翌日からの洗顔などは可能です。点眼薬や眼軟膏、抗菌薬の内服を続けていただきます。術後数日間は腫れや内出血などが見られますが、1週間後の診察時にはかなり改善していることが多いです。縫合がある場合は抜糸を行います。
手術は10~20分ぐらいで終了します。眼帯をして帰宅していただきます。手術後に強い痛みがでることはほぼありませんが、痛み止めの処方をします。眼帯は自宅で外しても問題ありません。翌日からの洗顔などは可能です。点眼薬や抗菌薬の内服を続けていただきます。術後数日間は腫れや内出血などが見られますが、1週間後の診察時にはかなり改善していることが多いです。縫合がある場合は抜糸を行います。
皮膚切開による霰粒腫摘出
受診までの経過
手術前の所見
下まぶたの目頭よりに霰粒腫があり、眼球側の結膜も大きく盛り上がり、皮膚側も一部白色になって皮膚が薄くなっている状態でした。通常の霰粒腫は無痛性の腫瘤ですが、このような霰粒腫は炎性霰粒腫などと呼ばれる、細菌感染などで炎症を伴っているものです。皮膚側に炎症が拡がると、皮膚面が破れたりしやすくなります。
皮膚切開で霰粒腫摘出
皮膚直下の粥状組織をしっかり掻爬・切除したほうが治癒しやすく、再発も少なくなるため、皮膚側からのアプローチで手術を行うことにしました。皮膚を横に切開して炎症でダメージを受けている組織を切除して、霰粒腫の肉芽腫を切除摘出した後、皮膚表面をナイロン糸で2針縫合しました。
手術3日後
切開部分は皮下出血がまだ比較的しっかり残っていますが、ひどい腫れはなく、患者さんも特に痛みは感じていませんでした。手術時に縫合した糸は腫れが収まるとゆるむことがありますが、切開創は特に問題なく、創口もきちんと閉じていました。
手術1週間後と2週間後
術後1週間では皮下出血もかなり吸収され、創口も綺麗です。やや腫れが残っていますが、問題ないようでしたので抜糸しました。
術後2週間では皮下出血は吸収されています。皮下の血管の拡張があり、外観的にはまだ赤みを残しています。時間の経過とともに赤みも徐々に消退していくと思います。
まとめ
なかなか治らない霰粒腫やだんだんと大きくなってきている霰粒腫で切開手術を受けたほうが良いかお悩みの方もいらっしゃると思います。思い切って切開手術を受けようかと思っているが、術後の腫れや内出血はどの程度なのか?仕事を休んだりしなくてはならないのか?などが知りたいと思ってらっしゃる方にこの記事が参考になれば幸いです。霰粒腫の手術はひどい腫れや内出血を起こすことは稀ですが、霰粒腫の大きさや場所、また皮膚側からの切開かまぶたの裏側からの切開かによっても術後の経過は違ってきます。
霰粒腫でお悩みの方のご相談をお待ちしております。