破れそうな霰粒腫の切開

破れそうな霰粒腫の切開

皮膚側にもりあがり破れそうな霰粒腫

1か月前からできている上まぶたのできもので受診されました。

霰粒腫
霰粒腫

霰粒腫が大きくなって徐々に皮膚側に突出しています。こういうタイプもよく見られます。白っぽく見えるのは霰粒腫の内容物が皮膚のすぐ下まできているからです。このようになると見た目も悪いですし、視界も遮るようになったりして患者さんもかなり気になってきます。
何よりも皮膚を破ってしまうとかさぶたになったり、傷跡が残る場合もあります。

結膜側からの切開

患者さんと相談して切開することにしました。
このような霰粒腫の場合、皮膚側から切開するか、まぶたの裏側から切開するか悩むところです。
今回は裏側から切開することにしました。

霰粒腫切開

切開はまぶたを裏返して局所麻酔の注射をします。皮膚側にも麻酔をします。まぶたを挟む器械で固定してメスで数ミリ切開し、内容物を小さな器具で取り出します。

皮膚も薄くなっているので内容物を取り除くときに、皮膚が破れてしまうこともありますが、今回はうまく破れずに終わりました。

切開後の経過

霰粒腫切開後
霰粒腫切開後

切開後1週間の写真です。少し赤みが残っていますが白っぽく見えていた内容物もなくなり、ほとんど目立たなくなりました。もう少し点眼薬を続けて腫れをしっかりと落ち着けます。

霰粒腫の治療

当院は霰粒腫の患者さんがとても多く来院されます。比較的若い女性が多いでしょうか。
霰粒腫の原因はまぶたの縁にあるマイボーム腺という油分を分泌する腺が詰まることが原因です。女性はお化粧もするので詰まりやすいのでしょう。点眼薬を根気よく続けたり、まぶたを温めることでマイボーム線に滞留した油分を出やすくするなどすれば自然に治癒する可能性があります。

当院では治りが悪い霰粒腫や今回のように破れそうな霰粒腫は積極的に切開手術を行なっています。皮膚側からの切開でも傷が目立つことのないように丁寧に行います。
麻酔薬は痛みの少ないように薬剤をブレンドして使用し患者さんの負担を軽くしています。顕微鏡による精密な手術で所要時間は5分程度です。

霰粒腫でお困りの方はぜひご相談にいらしてください。

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